茨木市議会議員 あびこ浩子 公式サイト

おしらせ

2017/01/30おしらせ
父のこと

1月22日(日)は選挙の投票日でした。どんな結果が出るのか不安でいっぱいでした。そんな時に携帯電話が鳴りました。
父が投票所に行って倒れたという電話でした。救急搬送中ですとのこと、行き先の病院が決まれば連絡しますとのことでした。私はその時、貧血で倒れたのかと思っていましたから、息子に事情を話しましたがそんなに焦ってはいませんでした。
しばらくして、阪大病院救急救命センターに運ばれたとの連絡が入りました。
父が玉櫛小に投票に行こうとして、タクシーを予約し、ヘルパーさんに同行を頼んで出かけたとそのとき聞きました。心肺停止で運ばれたので急いで駆けつけてほしいとの話に友人に車に乗せてもらい大慌てで駆けつけました。
最初に目に入ったのは、片方の靴と杖、そして折り畳みイスでした。ヘルパーさん曰く「お父さんは今日は這ってでも行くと言っておられました。折り畳みイスはどうするのかと聞きましたら、必要なんだといってタクシーを待つ間に広げて座っていました」と。かなりしんどかったのでしょう。タクシーの中でもしんどそうだったとのことでした。
外で倒れたので警察が事情を聞きに来ておられました。鞄を確認してと言われて、手持ちの鞄を開けたら、一番に投票用紙が出てきました。そう、父はまだ私の名前を1票入れていなかったのです。
片方の靴、杖、折り畳みイス、父は何としても私のために1票を投じたかったのだと、しんどくても行かねばと思っていたのだと。私は涙をぬぐうのがやっとでした。あっという間に心電図は0を示し、午後1時25分に父は亡くなりました。
キツネにつままれたというのでしょうか?まったく現実味のない結末でした。
警察で検死が必要だとのことで、遺体は警察に運ばれていきました。
それから、親戚に連絡したり、葬儀の段取りやら、何をどうしたのか思い出せません。気が付いたら午後8時、投票箱の蓋がしめられる時間になっていました。
前回選挙では2117票の27位でしたので、今回は定数28となり、父はかなり心配していました。私もどうなるかずっと不安でしたが、投票日はそれどころではなく、気が付けば終了していました。
父のことを聞き、周りのみなさんが父の無念を思って、雨の中でも投票に行ってくださいました。ご近所を誘って行ってくださった方や、家族に改めて投票を促していただいた方も。
今回の選挙は父の思いが動かしたと思います。
父と最後に話したのは選挙戦が始まる少し前でした。父は「今回も俺は選挙の神様がついていると思う」と言ってました。私を安心させようと言ってくれたのだと思っていましたが、本当に選挙の神様が来てくださった。父が連れてきてくれました。
嘘みたいな展開でした。ドラマかな?と自分でも思えるような1週間が過ぎました。
生きている私たちは、前に進まねばなりません。
多くの方の思いを受けて、父が選挙の神様を連れてきてくれて、私はまた仕事ができます。

最後に、頑固な父でした。杖がなければ歩けなくなり、母が認知症になり、一人暮らしを余儀なくされ、選挙戦で忙しい私たちに迷惑にならないよう自分で投票に行く段取りをしてくれてました。家の流し台には、炊飯器にお米が入っていて、帰宅後にご飯を炊くつもりだったのでしょう。本人も死ぬとは思っていなかったのでしょう。
人生の終い方を見せてもらいました。親の思いには勝てません。
お父さん、ありがとう!私はもう4年頑張ります。

母と一緒

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